通関士試験の勉強を独学で始めたいけど、どうやって進めたらいいか分からない。
効率よく勉強できる方法やおすすめのテキストが知りたい。
こんな悩みにお答えします。
通関士試験
通関士試験って何?という方はまずはこちらをご覧ください。
合格率は?受験地は?いつ実施される?通関士試験についての概要
通関士試験は独学で合格可能か?
独学で合格可能ですが、ある程度のまとまった勉強時間は必要です。
通関士の試験は3科目あり、それぞれで対策が異なります。
試験日までの勉強のスケジューリングをしっかりすれば十分合格可能でしょう。
独学勉強法① 通関業法
3科目の内最も易しいのがこの通関業法です。
内容としてはひたすら条文の暗記です。
通関業法は45点満点の内、25点が条文の穴埋めを15個の選択肢から選ぶという形式です。そして残り20点が、複数の選択肢の文章から正しい文章を選ぶというものです。
参考までに第52回の通関業法の問題を抜粋してみました。
新たに通関業の許可の申請に関して財務大臣が当該許可に付することが出来る条件は、取り扱う貨物の(イ)及び(ロ)に限る
第52回通関士試験 通関業法関係 第1問抜粋
この問いに対して15個の選択肢が用意されており、(イ)と(ロ)に入る適切な選択肢を選ぶといったものです。
通関業法の合格基準点が60%とすると、27点を取れば合格基準に達することが出来ます。
簡単な話、上記のような適切な語句を選ぶ問題を25問全問正解すれば、残り20点文章問題の内、2点取ればOKとなります。
通関業法は試験範囲も限られているので、いかに効率よく暗記するかが合格の鍵になります。
独学勉強法② 関税法等
通関業法よりさらに暗記のボリュームが増えたのが関税法等です。「等」ということで、実際には関税法、関税定率法、関税暫定措置法、外為法といった複数の法律が複合的に合わさっています。問題数も総得点も3科目の中で一番多く、確実に抑えなければなりません。
関税法も基本的には通関業法と同じように条文の記憶を中心に、問題集を複数回こなすことが合格への近道になります。
問題は過去問の表記を使いまわしたり、場合によってはそのまま過去問と同じ問題が出題されることもあります。初見では理解できない問題でも、何度も繰り返し同じ問題に触れることで、記憶に定着します。
出題範囲は広いですが、問題になりやすい分野となりにくい分野が存在しますので、どうしても勉強時間が足りない場合はよく出るところを優先的に取り組みましょう。
独学勉強法③ 通関実務
3科目の中で最も強敵になるのが通関実務です。
毎年多くの受験生が頭を悩ます最難関科目です。通関士試験の合格率が10%前後で推移しているのは、この通関実務のためと言っても過言ではありません。
正直、先に説明した通関業法と関税法等は何とかなります。暗記に長けている方なら数ヶ月、苦手な方でも半年~1年かけてコツコツやれば合格点には届くようになります。
ただこの通関実務に関しては、勉強しだして始めてその難しさに気づきます。
通信講座や予備校に通えば、あらかじめ決められた授業日程で試験日までに対策が完了しますが、独学で勉強している受験生の多くは、そのやばさに気づくころには「時すでに遅し」となることが多いです。
この記事を見た独学受験生は今スグに対策を始めることをお勧めします。
私も直前に焦り、ぎりぎり間に合いました(汗)
早めの対策をお勧めします!
最難関科目・通関実務の対策時期
では、その最難関科目である通関実務はいつから勉強すればよいのでしょうか。
まずは私が行ったスケジュールをお見せします。
4月~5月 | ・参考書読み込み:関税法等 |
5月~9月 | ・問題集、過去問演習:関税法等 |
6月~9月 | ・参考書読み込み+問題集、過去問演習:通関業法 |
9月~ | ・問題集、過去問演習:通関実務 |
ご覧の通り9月から対策を始め、約1カ月間はひたすら通関実務の問題演習を繰り返しました。
ぎりぎり間に合いましたが、関税法や通関業法の復習が疎かになりますし、絶対に参考にしてはいけないスケジュールです。
通関実務には輸出入申告書におけるHSの判別問題、申告額の計算問題、また延滞税や過少申告加算税、加算評価額の計算問題が毎年出題されています。ひとえに実務といっても様々な知識が要求されるので、早めの対策が得策です。
以上の経験を踏まえ、私がおすすめする実務の勉強を始めるタイミングは7月からです。
通関実務は45点満点中30点が計算問題、またそれに付随する知識の問題です。
計算問題はある程度パターン化されているため、どれだけ問題演習をこなすかが合格の鍵となります。対策としては関税法と同じですが、通関実務は1問1問のボリュームが多く、複数回の演習をこなすには相当の時間が必要です。
通関実務の勉強法(おすすめ問題集2冊)
通関実務の勉強でおすすめの参考書がゼロからの申告書(通称:ゼロ申)です。
輸出申告と輸入申告の問題がそれぞれ15問ずつ掲載されており、解き方のコツもパターン別にまとめられています。実務で最大の配点を占める輸出入申告書の計算問題はこれ1冊でマスター出来ます!
特に品目分類はどれだけ分類に慣れているかです。輸出入30問を最低でも3周は出来る余裕をもったスケジューリングをおすすめします。繰り返し解くことで自分の苦手な分野、引っ掛かりやすいパターンが見えてきます。
もう1冊は日本関税協会が出版している計算問題ドリルです。
近年の計算問題は、税額の計算と課税価格の計算で10点分出題されます。
この分野は輸出入申告書以上に出題パターンが決まっているので、ドリルの問題を全て解けばほとんどの試験問題は網羅できます。
Lv.1(基礎レベル)からLv.5(本試験難解レベル)まで段階別にまとまっているので、自分の学習ペースに合わせて進めることが出来るのも利点です。
まとめ
「実務を制する者が試験を制す」といっても過言ではないほど、通関実務の出来が試験の合否に直結します。
ついつい後回しにしてしまいがちな通関実務こそ最も優先して取り組むべき科目ですので、1日でも早い取り組みをお勧めします。
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