貿易の業界でよく目にするT/T決済。
INVOICEなどの書類の支払いに関する欄に記載があるものの、どういうことかよく分からないという方のために、今回は貿易取引で頻繁に登場するT/T決済に関してまとめました。
T/T(Telegraphic Transfer)決済とは?
貿易取引の金銭の支払いは一般的に銀行を通じて行うことが多いです。L/Cなどの手形決済以外にも、輸出者と輸入者間で送金で決済する場合があります。
送金方法にも複数ありますが、中でも最も代表的な外国送金の手段として用いられるのがT/T送金です。
方法としては、それぞれの国の銀行口座を通じて振り込みが行われます。イメージとしては銀行振り込みと同じですね。
銀行から先方の銀行への支払いに関する指示を電信(cable)で行うため、電信送金と呼ばれます。

T/T決済のリスク
送金での決済はL/Cなどの荷為替手形決済と比較して手軽に行える半面、リスクもあります。海外取引では、モノが届かない、先方が代金を支払ってくれないといった、日本国内の取引では考えられないようなトラブルが往々にして発生します。
貨物を輸出したけれど輸入者から送金がされないなどのリスクが発生するため、電信送金は双方の信頼関係があって成り立つ決済方法です。
子会社や関連会社、海外代理店などの海外のグループ会社との取引に限って行う、また初めて取引する企業とは送金とL/C決済を組み合わせるというような取り決めのもと、企業としてリスクを最小限にする取り組みが必要です。
その他の送金方法
普通送金(Mail Transfer : M/T)
流れは電信送金と同じですが、銀行間のやり取りが電信ではなく、郵便で行われます。特徴としては郵便のため、電信送金に比べて日数がかかります。
送金小切手(Demand Draft : D/D)
輸入者側で小切手を発行し、輸出者がその小切手に裏書、銀行に呈示することで支払いを受け取ることが出来ます。
【補足】TTSとTTB
T/Tに関連した業界用語として、TTSとTTBがあります。(貿易用語ではなく金融業界での用語ですね)
TTSは「Telegraphic Transfer Selling rate」の略で銀行が顧客に外貨を売るレート、TTBは「Telegraphic Transfer Buying rate」で銀行が顧客から外貨を買うレートです。
SellingとBuyingは銀行から見て売る or 買うというところがポイントです。業務をしているとどっちがどっちか分からなくなることがあるので、これを機に覚えちゃいましょう。